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カフェ開業に必要な設備を詳しく解説

カフェの開業には、どのような設備や備品が必要になるのでしょうか。カフェの開業には揃える設備や備品がたくさん想像できますが、何を購入すべきか悩んでしまいますよね。

そこで今回は、カフェ開業に必要な設備を解説していきます。

カフェの設備は「飲食店営業許可」の基準を満たす必要がアリ

まずはじめに、カフェの開業をするには、「飲食店営業許可」の基準を満たす設備を選ぶ必要があります。令和3年6月1日より、提供するメニューを問わず「飲食店営業」の申請・許可が必要になりました。

カフェの調理設備(キッチン)

・キッチンとホールを分ける【扉】

保健所の規定により、キッチンとホールを明確に分ける【扉】を設置する必要があります。

安全性や衛生面から、スタッフ以外の人がキッチンに入れないようにする目的があります。カフェでは、両手が塞がっていても開け閉め可能な【スイング扉】が使用されることが多いです。

・手洗い場

スタッフ用の手洗い設備も必須になります。「食品営業許可」の以下の基準を満たす必要があります。

■手洗い場の規定

サイズ:幅36cm・奥行28cm以上

衛生面:殺菌消毒できる消毒剤を固定して設置

・シンク

食材や食器などを洗うシンクは、カフェの設備では必須です。「食品営業許可」の以下の基準を満たすシンクが必要になります。

■「食品営業許可」の基準を満たすシンク

シンクの数:2槽以上

1つのシンクの大きさ:幅45cm以上・奥行36cm以上・深さ18cm以上

・冷蔵庫 冷凍庫

「食品営業許可」の規定により、外から冷蔵庫・冷凍庫内の温度が確認できる「温度計」の設置が義務づけられています。本体に付いていない場合は、外付けの温度計を設置しましょう。

カフェでは4枚扉(2枚冷蔵・2枚冷凍)や6枚扉(4枚冷蔵・2枚冷凍)の一体型のタイプを選ぶと、容量も大きく在庫管理もしやすいでしょう。食材が少ない場合は、家庭用でも問題ありません。厨房スペースを取られるため、開業するカフェに必要なサイズの冷蔵庫・冷凍庫を選びましょう。

・作業台

調理や食器や調理器具を置くスペースとして、作業台も欠かせません。選び方のポイントは、調理などの作業がしやすい高さのものを選びましょう。一般的には、80~85cmが主流です。台の下が、収納スペースや冷蔵庫になっていると小さなスペースを有効活用できるのでおすすめです。

・ガステーブル ガスレンジ

提供するメニューに合わせて、ガステーブルまたはガスレンジを設置しましょう。

■ガステーブルとガスレンジの違い

ガステーブル:ガスコンロが内蔵されたもの

ガスレンジ:ガステーブルとコンベクションオーブンを一体化したもの

■ガスの機器の種類

・「都市ガス」か「LPガス」

  ┗ カフェの物件に合わせて、ガス機器を選びましょう。

・同時調理をする必要口数(2口・3口など)

・ガスの点火の仕様

「自動点火するもの」

  ┗火力は強くないものの、扱いやすさが魅力です。

「外管式など」

  ┗ 火力の微調整が可能ですが、扱いが難しくなります。

提供する料理や使う人を十分に検討し、火力や扱いやすさを考慮しながら選びましょう。

・給湯器、電気温水器

「飲食店営業の許可」を満たすには、お湯が出る給湯器や電気温水器の設置が必須になります。物件に給湯器が元々設置されていればそのまま使用できますが、新設する場合は給湯器のガス工事をするか電気温水器を購入する必要があります。

カフェでは、お湯の使用料が少ないため小型の電気温水器で十分でしょう。

・換気扇

「食品営業許可」の規定により、換気扇の設置が義務付けられています。害虫が発生しやすい飲食店は、シャッター付きの換気扇が衛生的に使用できるためおすすめです。

・食器棚

食器を安全・衛生的に保管するため、【開閉式の食器棚】の設置も「食品営業許可」の規定で定められています。

■食器棚の規定

仕様:扉または引き戸付き

高さ:目線より下で、膝より上の位置

台数:1台以上

・コーヒーメーカー

カフェでは、コーヒーを提供する店舗がほとんどではないでしょうか。コーヒーを提供するには、コーヒーメーカーやエスプレッソマシンがあります。価格/デザイン性/操作のしやすさ/お手入れのしやすさ等を検討し選ぶと良いでしょう。

■コーヒーメーカーの種類

エスプレッソマシン:豆を圧力をかけて一気に抽出するエスプレッソを作るタイプのもの

コーヒードリップマシン:焙煎豆をお湯で抽出したドリップコーヒーを作るタイプのもの

ミルの有無やミルクフォームを作る機能もあるので、提供するメニューに合わせて選びましょう。

カフェの客席設備(ホール)

・テーブル/椅子/ソファ

テーブルや椅子といった家具類は、開業するカフェのコンセプトに沿ったデザインや色味・質感、サイズ感のものを選ぶと良いでしょう。ソファがあると、お客様によりくつろいでいただけますね。また、お子様連れのお客様も利用することを想定すると、ベビー・キッズチェアを準備する必要もあります。

・カウンター

お一人様で利用してもらうカフェにする場合、カウンターがあると来店しやすいでしょう。ハイタイプとロータイプがあるので、高さに合う椅子も準備しましょう。

・照明

照明の明るさや色合いによって、店内の雰囲気もぐっと変わります。自治体によって照明の基準が異なっていますので、開業場所の自治体の情報を確認しましょう。カフェのコンセプトに沿うような照明を選びましょう。

・冷暖房設備

ファストフード店やラーメン店といった回転率の高い飲食店に比べると、カフェは滞在時間が長いことが考えられます。冷暖房設備が整っているとお客様が店内で快適に過ごすことができ、さらには再来店にも繋がるため、空調管理は重要になってきます。「埋め込みタイプ」「露出タイプ」があるので、店舗の広さや機能、デザインを考慮し選ぶと良いでしょう。

・トイレ

店舗内に客席があるカフェには、「飲食店営業の許可」の基準を満たすトイレの設置が必須になっています。

■トイレの基準

・衛生的な設置場所

・害虫が入らない構造

・トイレ専用の手洗い場の設置

テイクアウト専門の店舗の場合は、トイレの設置義務はありません。

・音響設備

カフェのBGMは、店内の雰囲気づくりの一つです。「落ち着いた雰囲気」「カジュアルな雰囲気」など、コンセプトに合わせたBGMを流すことで、こだわりのある店舗づくりができますね。

BGMを流すためには、トレンド曲が流れるUSENまたは、スピーカーやプレイヤー・アンプなどの音響設備が必要です。

・防犯設備

カフェの防犯設備として利用されることが多いのは、防犯カメラです。お店の広さに合わせて選ぶと良いでしょう。ダミーの防犯カメラでも、犯罪の抑止に繋がります。

・ホールで必要な備品

会計機器

レジを導入しているカフェも多いですが、最近ではタブレットを使用している店舗も増えてきています。カフェの規模や客層、運営スタイルなどを考慮し、どの会計機器を使用するか、検討すると良いでしょう。

・電話機

お客様からの予約や問い合わせ、取引業者と連絡を取るのに欠かせません。子機があるタイプなら、店内のどこでも対応できるのでおすすめです。

・パソコン

売上・在庫管理、予約管理、スタッフの勤怠や給与管理などに必要です。必要な機能や価格を考慮したパソコンを選ぶのが良いでしょう。

カフェの設備選びのコツ

・必要なものをリストアップし予算を決める

「飲食店営業の許可」の基準を満たす設備を揃えることは必須ですが、紹介した全てをとりあえず揃えるのではなく、開業するカフェの目的に合っているかどうかで選びリストアップしましょう。カフェの開業には高い費用がかかるので、目的・予算をよく検討しましょう。

・お店の規模や客層を考慮したサイズ・機能/価格のカフェ設備を選ぶ

小さなカフェであれば、大きなサイズの設備ばかりを揃えてしまうと、スタッフやお客様の動線を妨げてしまいます。また、不必要な機能が多くついた設備を設置すると、費用が高くかかる可能性もあります。お店の規模や客層を考慮し、必要な機能・サイズの設備を予算に合わせて選ぶことが大切です。

・中古品やリースを利用する

ここまで紹介してきたカフェ開業に必要な設備を揃えると、かなり高い費用になることが予想できます。設備によっては中古品やリースを利用することで代用ができますので、検討してみてください。

中古品を購入する場合は、購入前に動作確認やクリーニング等をしっかりと行っているものを選びましょう。保証がついているものを選ぶと、なお安心です。

また冷蔵庫・冷凍庫に関しては、1つのみ設置する場合、故障をすると冷蔵庫・冷凍庫、中の食材全てが駄目になるため、中古品よりも、新品の購入または定期的に点検を行ってくれるリースのどちらかで導入するのがおすすめです。

まとめ

理想のカフェにするためには、必要な設備を把握し準備することが大切です。計画を立てながら、開業準備を進めていきましょう。

目指すお店のコンセプトを想像しながら、デザイン・機能・価格を重視し選ぶことが大切です。働くスタッフ・お客様にとって快適に過ごせるお店を目指し、素敵な店舗づくりをしていきましょう。

        

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